職員の「独り言」その1
2021年07月07日
「相模原事件」から5年
2016年7月26日、神奈川県相模原のやまゆり園で多くの障害者が殺され傷つきました。そしてこの事件は何百万、何千万もの人の心に傷を残しました。
当時私は30年間培ってきた自分の「福祉観」を根底から覆された思いから、事件を障害者殺傷事件、特異な犯人による残忍な犯罪と矮小化してはならないと強く思い、被害者家族に直接お目にかかり、「障害者なんでいなくなればいいの衝撃」「優生思想」「弱くて脆い社会」というテーマでさまざまな法人事業所、家族会、市民運動団体等でお話してきました。
しかし、私の知る限り障害者団体以外からの力強い「声明」はありませんでした。
事件から5年たった今日、あらためてこの国連の行動計画の文言をかみしめています。
「障害者を締め出す社会は弱くてもろい社会」である
今日この事件がますます「障害者の問題」に矮小化されつつあると懸念しています。まさに「日本社会のありよう」が問われているように思います。
人種、貧富、性的マイノリティなどに対する差別的言動が拡がる今日、この事件から学ぶものは「命」の理解であり、人間理解の程度です。
「「生」を満喫する権利」「命の平等」「人間の尊厳」が今こそ問われています。
貧困、性的マイノリティ、性別、人種国籍等さまざまな差別と生きづらさを抱える人々とともに考え、連帯し、「弱い人が自分より下を攻撃することで一時の安堵感にひたる=脆くて弱い社会」に抗っていきたいと思います。
勝本 彰